【名古屋市北区】自家焙煎コーヒーと揚げたてドーナツが美味!ボックス型屋台から実店舗展開へ「コーヒームテ」の挑戦
実店舗改装中の「コーヒームテ」
北区清水5丁目にある「コーヒームテ」は、現在イートインスペースを作るため店舗を改装中。普段はテイクアウトで、自家焙煎コーヒーと揚げたてドーナツを販売しています。
「コーヒームテ」は、愛知県を中心にマルシェやイベントなどに出店する“コーヒー屋台”からスタートしました。各種イベントで「ムテボックス」なる、レトロな片仮名フォントのロゴが印象的な、人ひとり入れるくらいの小さな箱型屋台を、見かけたことがある方も多いのではないでしょうか?
現在は店舗の完成を目指して、クラウドファンディングを実施中とのこと。今回は、紆余曲折を経てお店をオープンさせた経緯や、コーヒーへの想いなどについてお話をお聞きしました! 「コーヒームテ」がある通りには、「金城夜市」などのイベントが開催される、昭和30年創業の木造平屋建ての市場「金城市場」があります。下町の風情を残しながらも、古い空き家に新しいテナントが入るなど、北区でも特に盛り上がりを見せているエリアです。
店主・丹下雄二朗さん
2014年からコーヒーの世界に入り、徳島県のコーヒー店での修行を経て、2019年に独立。当初は移動販売ユニット「ムテボックス」でのイベント営業からスタートし、現在は名古屋市北区で実店舗を運営。スペシャリティコーヒーの知識と技術を駆使して、自家焙煎のコーヒー豆やコーヒー、ドーナツの販売を行う。
―――「ムテ」の店名の由来はどこから来ているのでしょうか?
丹下さん:大好きな漫画「ぼのぼの」(※いがらしみきお原作の元祖癒し系動物4コマ漫画、及びアニメ)からインスピレーションを得ました。作中で、ぼのぼのの父親が、耳とほっぺたの間の部位を「ムテ」と呼んで遊ぶシーンがあって、その響きの柔らかさに惹かれて店名にしました。「ムテ」ってこう、発音すると力が抜けるような響きじゃないですか?お客様に提供できる最初のプレゼントとして、気兼ねなく、肩の力が抜けるような言葉を選びました。
―――コーヒー店を始めたきっかけを教えてください。
丹下さん:約10年前、スペシャリティコーヒーブームの時期に友人からの誘いがきっかけでした。その後、独学での限界を感じ、徳島県のコーヒー豆店で修行を積みました。3年間の修業を経て、2019年に独立開業しました。
―――屋台スタイルから実店舗営業に至る経緯について教えてください。
丹下さん:独立した頃は、コロナ禍でマルシェやイベントがすべてストップした時期でした。それでも「コーヒーを飲みたい」「音楽を聴きたい」という方も少なからずいらっしゃったので(※丹下さんは当時音楽活動も行なっていた)、オープンエアーな場所で音楽が聴けるイベントを開催し、屋台スタイルでコーヒーを淹れるようになりました。
現在のお店の場所は、音楽を一緒にやっていたチームの、音響機材の置き場所兼アジトみたいな場所にしようということで、メンバーの1人が借りてくれたんです。もともと薬局からパーマ屋さんを経て、最後は持ち主の方のご自宅という古い物件でした。
その後、チームの音楽活動も終わりを迎えたタイミングで、メンバーから物件を引き継ぎ、かねてからの夢だったムテの実店舗を開くことにしました。2024年4月まで少しずつ、ああでもないこうでもないと自分でDIYしながら、ヨタヨタとイベント営業も継続していたのですが、一旦全部壊しまして。今一緒に手伝ってくださってる職人さん達と「誰も真似ができないような手の込んだ店舗づくり」を目指している最中です!
現在の店内の様子
2025年6月の完成を目指して改装中のため、現在のお店はムテボックスをスッポリはめこんだような形のテイクアウトコーナーのみとなっています。特別に改装中の店内に入らせて頂きました。
かっこいいドアは、職人さんがイチからデザイン・設計・作成したもの。他で見た事のない、まさに唯一無二のドア!中に入ると増設された階段が現れます。新しいものと古いものが融合した、懐かしい雰囲気が魅力的。天井が高く、奥行きもあるので1階・2階とかなりの広さの店舗になりそうです。2階に上がってみました。奥の部分は全部吹き抜けになる予定だそうです。まだ、改装途中ではありますが、古い木の感じや差し込む光に温かみがあり、居心地の良い空間になる予感しかしません。2階にはビッグカウンターを設置。窓も広くして、通りが見えるようにする予定だそうです。1人で来ても複数人で来ても利用しやすそうなカウンターです。
これは、店内の完成が楽しみ!
ムテのコーヒーとドーナツ
■コーヒーへのこだわり
―――コーヒーのこだわりについて教えてください。
丹下さん:意外と思われるかもしれませんが、理想とするコーヒーは、2014年のセブンイレブンのコーヒーなんです(笑)。初めて飲んだ時「美味しい!」ってなりませんでした? それもあって、お客様の想像するコーヒーの味を超えないよう心がけています。スペシャリティコーヒーの世界では独自性を追求する傾向がありますが、僕はお客様の好みを重視し、親しみやすい味わいのコーヒーを目指しています。ネット販売も行なっているコーヒー豆は、すべて丹下さんがブレンドし焙煎したもの。じっくり焙煎することで、開封してから少し経っても美味しく飲めるとお客さん達から好評を得ているそうです。コーヒーの種類もシンプル。これぐらいシンプルなほうが、わかりやすくて良いですね。最終的には1種類にしたいぐらいと、語る潔い丹下さんでした。
コーヒーを頂きましたが、ひと口飲むとまろやかな苦みで飲みやすく、味わっていくうちに一筋縄ではいかないような美味しさの個性が潜んでいる感じで、毎日飲んでも飽きのこない味だと思いました!■ドーナツも手作り
コーヒーのお供は、相性の良いオーソドックスなドーナツのみ。オールドファッションとジャガイモを使用したドーナツ、ふわふわドーナツの3種類です。
定番の「オールドファッション」(300円)は、写真だとマグカップが大きいのもあってわかりづらいかもしれませんが、かなり大きめ。元々保存食として発展した歴史を持つオールドファッションは、伝統的なレシピをベースにシンプルに作られています。
食べてみると、しっかりめの生地に砂糖がまぶされていますが、甘さは控え目。これが大変美味しく、ペロリとたいらげてしまいました。
手作りで使用している素材もシンプルかつ、揚げたてを提供しているので、小さなお子様も安心して食べられます。「ジャガイモのドーナツ」(500円)は、テイクアウトして次の日食べましたが、冷めても美味しい!オールドファッションよりさらに甘さは抑えめで、おやつとお食事の間くらいのドーナツです。スープなどと合わせて、朝ご飯にピッタリ。
取材日にはなかったのですが、ムテのお店を手掛ける職人さんがレシピを考案(!)したという「ふわふわドーナツ」がある日も。こちらもかなり大きめだそうですが、フワッフワで一瞬にしてなくなってしまうのだとか。
クラファンのリターン品も個性的!
現在、「コーヒームテ」では改装途中になっている店舗を2025年6月までに完成させるため、クラウドファンディングを2025年1月31日まで実施中です。支援された方へのリターン品が面白いのでご紹介します!
■『コーヒー ムテ』ロゴ入りマグ
ムテのロゴとドーナツの文字が入ったオリジナルマグは、大きめのアメリカンスタイル。1個(5,000円)と2個セット(10,000円)があります。がっしりとした造りでコーヒーも簡単には冷めなさそうです。上から見るとこの分厚さ!
■量産型ムテボックス
なんと50台限定で、日本最小のコーヒー屋台・通称「ムテボックス」(100,000円)の量産型もリターン品に! 企業やお店の方であれば、イベントでの屋台出店用什器としてはもちろん、個人の方だったら、読書部屋やDJブースにするなど、使い方は自由自在。 1人入れる小さなスペースはまるで秘密基地のようです。目の前で組み立ててもらいましたが、男性や力持ちの女性であれば、3面+天井面を1人で組み立てることができます。木の板は重量感があるので、ちょっとの風では吹き飛びません。外のイベント時に重宝しそうです。
個人的に使うであれば、ボックス内にコーヒーと本を持ち込めば、もうそこは自分の城。こもれる空間って良いですよね……!
次のイベント出店は2025年2月10日
直近のムテボックスでのイベント出店は、2025年2月10日(月)毎月10日に「ヒサヤオオドオリパーク」ZONE1・シバフヒロバで開催されている「Hisaya market」とのこと。
イベント出店がなければ、基本的には8:00~19:00でお店を開けているそうなので(※公式Instagram要確認)、「コーヒームテ」の美味しいコーヒーとドーナツを味わいに、清水5丁目に足を運んでみてはいかがでしょうか?
「コーヒームテ」はこちら↓