【名古屋市東区】幻の“占領下の器”が勢ぞろい。戦後80年記念展「Occupied JAPAN の陶磁器」が「名古屋陶磁器会館」で開催中です!

名古屋市東区の「名古屋陶磁器会館」で、「Occupied JAPAN の陶磁器」が開催中です。戦後80年を迎える今、GHQ占領下に作られた輸出向け陶磁器や、戦争中の代用品として作られた陶製の手榴弾・貨幣などがずらりと並びます。展示されているのは、1947〜1952年の間だけに製造された「Made in Occupied Japan」の刻印が入った器たち。ティーカップや人形、灰皿、飾り皿など、西洋向けにデザインされたカラフルで繊細な陶磁器が多く、当時の輸出産業の一端が垣間見えます。

戦後80年記念展「Occupied JAPANの陶磁器」概要

※画像提供:名古屋陶磁器会館様

会期:2025年7月22日(火)~10月3日(金)

開館時間:10:00〜17:00(最終入館は16:30まで)

休館日:土・日・祝日、2025年8月13日(水)〜8月15日(金)

会場:名古屋陶磁器会館 1F展示室

入館料:無料

「Occupied Japan(オキュパイド・ジャパン)」とは、“占領下の日本”という意味。ティーカップなどは刻印がわかりやすいように、裏側に置かれています。ミニチュアのカップなどは見えやすいように、虫眼鏡が設置されているものも。透彫(すかしぼり)という手法で作られた飾り皿。現代ではなかなかお目にかかることのできない、繊細なデザインの陶器の数々に目が奪われます。フィギュアリンという陶器製の人形。西洋向けのデザインが多いなか、珍しい陶器の日本人形がありました。戦後、日本が敵視されるなか輸出されているので、当時からするとだいぶ攻めた製品とも言えますね。

「代用品」が物語る時代

華やかな輸出用の陶器とは正反対に、質素なデザインの軍需用や生活用品の代用品の展示。金属不足の中、文字通り「陶器で何でも作った」戦時中の苦肉の策なのだそうです。こちらは「防衛食容器」。缶詰の代用品として使用されていました。ちゃんと真空容器になっており、中身を取り出すときはフタの真ん中の窪みに穴を開けます。中の構造も説明されています。手榴弾は実戦でも使われましたが、金属製の手榴弾に比べると威力はやはり劣ったそうです。陶器製の陶貨は、結局世に出回ることなく終戦を迎えた“幻の通貨”。富士山と雲が描かれたデザインで、これも実物を目にできるのは珍しいです。

裏側に刻まれた「番号」に注目

日用品として使われていた陶器も実に質素。裏側には「統制番号」が刻まれています。これは戦時中、製造元の名前の代わりに付けられた識別番号だそう。岐阜で作られた製品だと判明した陶器もあり、製造者が誰かを調べる手がかりになるのだとか。実際、番号から工場を突き止めた研究も進んでいるそうです。

展示室には詳しい解説も掲示されていて、器の歴史や背景がしっかりと伝わってきます。解説を読んでから、もう一度器を見ることで、単なる“古い食器”ではない当時の背景を生々しく感じました。

帰りはギャラリーショップを要チェック!

ギャラリーショップでは、余剰在庫品や仕入れ品などを販売しており、昭和初期に作られたレトロ食器や、輸出用の珍しい陶磁器製品を販売しています。収益は陶磁器会館の維持・修理に当てられているそうです。他にないデザインの陶器がなんと100円~!器好きは要チェックです。  

また、本展にあわせて、陶磁器に親しめる体験イベントも!

・クレヨン転写体験
専用のクレヨンを使って描いた絵柄を皿に転写し、自分だけの記念プレートが作れる人気のワークショップ。
【開催日】2025年8月12日(火)14:00〜16:00/【参加費】2,000円/【定員】10名(要予約)

※各イベントの詳細や申込方法は、名古屋陶磁器会館の公式サイトやSNSでご確認ください。

陶器の“もうひとつの顔”を知りたい人には、ぜひおすすめしたい展覧会です。会期中にぜひは足を運んでみてはいかがでしょうか?

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