【名古屋市北区】「食べることで、生きる力を」黒川・焼き鳥店併設の「こども食堂 さくらさく」
2025年6月、名古屋市北区・黒川本通にある立ち飲み焼き鳥店「The YAKITORI」と併設する店内で、「こども食堂 さくらさく」がスタートしました。代表の山元さんは、さまざまな飲食店を経営しながら「地域の子どもたちのために本気でごはんを届けたい」という強い使命を抱いています。
併設の「The YAKITORI」についてはこちらの記事で紹介しています。
「さくらさく」をオープンさせた想い
はじまりは2010年、大阪で起きた「大阪二児餓死事件」をニュースで目にしたことからでした。
「そのニュースを目にした時、怒りと悲しさで涙が出ました。“こんな事があってはいけない”と心から思ったんです」
とはいえ、はじめから「こども食堂」という形を思いついたわけではありません。長期間模索を続けていた佐本さんは、飲食店経営の経験と人手を活かし、自分にできることを少しずつ具体化していきました。
本当に必要としている子ども達に届けたい

※画像提供:子ども食堂 さくらさく様
「じゃあ、どういう子に届けたらいいのか。何を基準に対象を決めたらいいのか。そういう“線引き”のようなものが、自分の中でもまだ整理がついていなかった。」
「こども食堂」について、大人たちの理解が追い付いていないという現実を目の当たりにして苦悩したことも。細かいルールを作らざるをえない現状もあったそうです。
運営の仕組みづくりに悩みながらも、たどり着いたのが“必要としている子どもなら誰でも来ていい”というシンプルな考え方。そして、1日1食、ちゃんとした「人の手で作ったごはん」を届けることに価値があると信じました。

※画像提供:子ども食堂 さくらさく様
「コンビニ弁当じゃなくて、“あなたのこと、大事に想ってるよ”って伝わるようなごはんを出したい。」
「さくらさく」で提供するご飯は、焼き鳥店の厨房を使って運営されています。こどもは無料、同伴する大人は500円の支払い。来た子どもたちには、スタッフの「おかえり」とあたたかいごはんが待っています。
「フードリボン」という仕組みも導入されています。大人がお店で300円のリボンを購入し、それを使って子どもたちが無料で食事を受け取ることができる“未来チケット”のような支援システムです。

※画像提供:子ども食堂 さくらさく様
「最初は、“怪しいんじゃない?”って警戒されたこともあったんです。子ども食堂ってまだまだ知られてないし、“なんでタダでごはんが食べられるの?”って不安に思うのも無理はない。」
それでも少しずつ、地域の人やSNSを通じて口コミが広がり、ようやく子どもたちが来てくれるようになってきました。
なぜここまでして続けようとするのか。その問いに、山元さんはこう答えます。
「子どもって、何よりも大事にされるべき存在じゃないですか。生きるための力を育てるためには、まず“食べる”ことが必要で。その最低限すら守られていない子がいるなら、誰かが支えなきゃいけないと思う。」
「さくらさく」という名前には、「子どもたちの笑顔が毎日咲くように」「どんな状況でも、春は来る」という願いが込められています。
活動の情報はInstagramで発信中。開催は毎日。寄付や食材提供、ボランティアも随時募集しています。
地域の飲食店だからこそできる挑戦。ここからまた、新しいつながりが生まれようとしています。
「こども食堂 さくらさく」はこちら↓