【名古屋市東区】名刀たちが一堂に!「徳川美術館」の特別展「時をかける名刀」が激アツです!

東区「徳川美術館」で、2025年6月14日(土)から始まった夏の特別展「時をかける名刀」。開館90周年を記念して開催される本展では、尾張徳川家に伝来する国宝8振りをはじめ、時代を超えて語り継がれてきた名刀たちが一堂に会しています。なかでも、本作長義(徳川美術館蔵)と山姥切国広(足利市蔵、前期展示)との同時公開が「激アツ!」と開催前から大きな話題に。メディア内覧会に行ってきたので、展覧会の様子を一部ご紹介します!

徳川美術館・蓬左文庫 開館90周年記念 夏季特別展 『時をかける名刀』

■会期:2025年6月14日(土)~9月7日(日) ※前期:6月14日~7月27日/後期:7月29日~9月7日

■休館日:月曜日(祝日は開館)、7月22日(火)

■開館時間:10:00~17:00(最終入館16:30)

■観覧料:一般1,600円、高大生800円、小中生500円 ※毎週土曜は高校生以下無料 ※前期の土日祝はオンライン事前予約必須

■アクセス:JR中央本線「大曽根駅」南口より徒歩約8分/市バス・名鉄バス基幹2系統「徳川園新出来」停すぐ

「時をかける名刀」のスゴさとは?

今回の展示では、室町~江戸時代に伝わる名刀と刀装具などを大規模に展示し、刀自体の美しさだけでなく、それを受け継いだ人々の物語にも焦点を当てています。また、前期展示の目玉は、徳川美術館所蔵の「本作長義」と、足利市が所蔵する「山姥切国広」の同時展示。「伯仲燦然(はくちゅうさんぜん)」と題され、名刀ファンの間では夢の共演ともいえる企画です。

◇伯仲燦然(はくちゅうさんぜん)とは?◇「どちらもスゴすぎて優劣つけられない!」という時に使う四字熟語。「伯仲」は“兄弟のように互角”という意味で、「燦然」は“きらびやかに輝くさま”という意味です。名刀「本作長義」と「山姥切国広」は“本歌(ほんか)と映し(うつし)”の関係。刀剣の世界で「本歌」とは、元になったオリジナルの刀を指します。一方「写し」は、その本歌を手本にして別の刀工が模して作った刀のこと。写しは単なるコピーではなく、技術や美意識の高さが問われる芸術作品でもあります。名刀「山姥切国広」は「本作長義」の写しとして知られ、どちらも名品として評価されています。現在、「徳川美術館」ではこの二振りが同時公開されているので、まさに“伯仲燦然”状態ということです!

■人気ゲーム『刀剣乱舞ONLINE』コラボも見逃せない!展示に合わせて人気ゲーム『刀剣乱舞ONLINE』の刀剣男士たちの書き下ろしイラストや等身大パネルも、屋外の特設茶室にて公開されています。

左:五月雨江(さみだれごう) 中:南泉一文字(なんせんいちもんじ) 右:山姥切長義(やまんばぎりちょうぎ)

普段は非公開の「徳川美術館」の茶室を背景に、刀剣男士たちの撮影ができます!

左:物吉貞宗(ものよしさだむね) 中:後藤藤四郎(ごとうとうしろう) 右:鯰尾藤四郎(なまずおとうしろう)

茶室内部も普段は見ることができないので要注目です!

館内では『スマートフォン専用音声ガイドチケット』(1,000円)を販売。『刀剣乱舞ONLINE』刀剣男士・鯰尾藤四郎のコラボレーショントラック3本付きで、持参したイヤホンで、声優さんによるガイドを聴きながら展示を周ることができます。ガイドがあると、より展示が面白くなるのでおすすめです♪

名刀鑑賞の前にまずは「刀装」の章から!

刀本体を鑑賞する前に、大名文化における刀剣の役割について知ることができる第一部「刀装」からスタート!刀の“外側”を飾る「刀装」は、柄・鞘・金具類などからなり、拵(こしらえ)とも呼ばれています。

■刀剣の装いから読み解く武士の美学「刀は武士の魂」といわれますが、江戸時代になると戦自体が減り、刀の存在が“戦うための武器”から“武家の名誉や誇りを表す宝物”として変化していったそうです。戦乱をくぐり抜けてきた輝かしいエピソードを持つ刀剣や、結婚などの祝儀に贈られた、縁起が良いエピソードを持つ刀剣などが、その刀の価値を高めていました。そして、当主やその子息は儀式用、普段用などのTPOに合わせて、いくつもの拵を所持していたのだとか!儀式の際は豪華絢爛な刀装、ビジネスの際はシックでモダンなデザインと、自由自在にカスタム可能だった拵は、武士のセンスが最もにじみ出る場所だったのかもしれませんね!

■クルミにタコ、蛙、伊勢海老etc…意外と“ゆるカワ”!?金工の世界

後藤家の「獅子図目貫」

刀装に付属する小さな金具「金工品」の展示コーナーでは、意外と“ゆるカワ”なデザインのものが多くて驚きでした! 当時の一番人気は、代々の当主が一子相伝で技と作風を継承した名工・後藤家による「御家彫り」獅子や龍などいかにも「武士らしい」力強いモチーフです。

伊勢海老図目貫

一方、それ以外の金工は「町彫」と呼ばれ、クルミの殻や、タコとカエルが相撲をとっている場面、伊勢海老など身近でユーモアあふれるモチーフがたくさん!

蛸蛙角力図小柄

さまざまな趣向を凝らしたデザインの金工は、刀に詳しくなくても思わず見入ってしまうのではないでしょうか?

見どころの名刀を一部ご紹介

本作長義

この展覧会の最大の見どころは、やはり第二部「刀剣」。「本作長義」 × 「山姥切国広」(前期6月14日〜7月27日)をはじめ、織田信長ゆかりの刀「津田遠江長光」(国宝/鎌倉時代)、「岡田切」(吉房)、「鯰尾藤四郎」、「物吉貞宗」、「南泉一文字」、「五月雨郷」など多数の名物刀剣が通期展示されます 。とにかく、かなりのボリュームです!

山姥切国広

庖丁正宗

刀身の美しさだけでなく、刀にまつわる歴史的エピソードにも注目すると、より面白く鑑賞できます。

■刃文にも注目!個性際立つ模様に見入る!

それぞれの刀の「刃文(はもん)」の違いも鑑賞の面白さ。刃文とは、刀の刃の部分に現れる模様のことを指します。これは単なる装飾ではなく、刀を鍛える過程で生まれる、機能美と芸術性を兼ね備えた模様です。

◇どうして模様ができるの?◇日本刀は、刃の部分だけを特に硬くするために、焼き入れという熱処理を行います。その際に、土を塗って温度差をつけることで、刃と背の部分の硬度に差が出て、刃の部分に波打つような白い線(=刃文)が現れるのです。

刃文には色々なパターンがあります。まっすぐな刃文の「直刃(すぐは)」はシンプルで格式高い印象、波打つような「乱刃(みだれは)」は、不規則な刃文で華やかで個性的。「丁子刃(ちょうじば)」はクローブ(丁子)の形のような丸い連続模様が特徴。ゆるやかに揺れる波のような「のたれ」など、刀匠の個性が最もよく表れるポイントでもあります!角度を変えて観察することで、その美しさをより感じることができます♪

特設ミュージアムショップも登場!

そして、お楽しみの関連グッズ!今回初めて「徳川美術館」の講堂を特設ミュージアムショップとして展開(2025年8月17日まで)しており、刀剣ファンにはおなじみの「とくびぐみ」(※「徳川美術館」が所蔵する人気の刀剣、鯰尾藤四郎・後藤藤四郎・物吉貞宗・南泉一文字・本作長義・五月雨郷の6振りの愛称)グッズの新作がたくさんありました。また、「Mizuno」とのコラボスニーカー「本作長義」「山姥切国広」 モデル(※ネット通販のみ)と同じ型のスニーカーを試着できるコーナーも。

展覧会の前期展示は7月27日(日)までで、人気の山姥切国広はこの期間のみの展示となります!特に土日祝は事前予約制で、すでに完売の日程もあるのだとか。後期(2025年7月29日~)には国宝「三日月宗近」(東京国立博物館蔵)など、また別の名刀が登場します!

展覧会自体は2025年9月1日(月)まで、徳川美術館にて開催中。写真撮影OKの展示もあるので、ぜひ刀剣初心者の方も“刀剣沼”にハマってみてはいかがでしょうか?

徳川美術館」はこちら↓

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