【名古屋市東区】電気屋さんなのにアンティークだらけ!?0円の掘り出し物も。白壁の交流拠点「ヒノモトジャパン」が面白すぎる!
名古屋市東区白壁の住宅街に、ちょっと不思議で、だけどなぜかほっとするお店があります。
その名も 「ヒノモトジャパン(ニシムラデンキ)」。店頭には電気屋の小さな看板があるのに、店内(店頭も!)には、圧倒的物量のアンティーク、食器、絵、古着、ヴィンテージ雑貨などが所狭しと並び、初めて訪れた人が必ず思わず二度見してしまう……そんな存在感のある店です。

お隣さんの猫・ナナちゃんも遊びに来ます。

ヒノモトジャパンの看板猫・キキ君。店内でお休み中でした!
「最初は父がやっていた普通の電気屋でした」と、店主の西村プリティー太志(たかし)さんは笑顔で話します。
現在の姿になったのは、なんとここ1年半ほどのことだそう。電気工事の依頼に駆けつけるうちに、地域の方から古い家電や家財の回収を頼まれ、それを無料で引き受けていたことがすべての始まりでした。
0円商品から蔵の宝物まで!?

西村プリティー太志さん
「電球換えてくれへん?って呼ばれてね。“古くなった家電があれば無料で運びますよ”って言ってたら、いろんな家から物が出てくるようになったんです」
最初は古いストーブや照明。しかし次第に「蔵の中のものも持っていってくれない?」と頼まれるようになり、そこから驚きの品々が姿を見せ始めました。
「お金は要らないと言うと、向こうも“いいから持っていって!”ってなるんです。だからこの店の商品、ほとんど仕入れ0円なんですよ」
地域の人との信頼関係から自然と集まったアイテムばかり。白壁のお屋敷町ならではの“暮らしの歴史”が詰まった逸品がズラリと並びます。
店頭に並ぶ商品はなんと0円……!「お金儲けのためにやっていない」と語る西村さん。「これ0円でいいの!?」そんな会話をきっかけに、常連さんが増えていくのだとか。
いまでも変わらない「電気屋さん」としての顔
アンティーク販売が増えてきたとはいえ、「電気屋」業務も現役です。
「今日もこの近所のマンションのおばあちゃんのところへ器具の交換に行ってきたところです。白壁には昔ながらのお屋敷があって、“財閥のおばあさん”みたいな方もまだ僕を呼んでくれるんですよ」
父親が体調を崩した後は、店主さんがそのままお客様を引き継ぎ、地域の生活を支える「電気の相談役」として今も頼りにされています。
映画に出てきそうな木箱との出会い
なかでも印象的だったのが、インタビュー中に見せてもらった木箱。
白壁の大学関係者のお宅の蔵から出てきたもので、飛行機がない時代、海外との貿易で使われていた“本物の船旅の箱”だそうです。
「これ、当時はこういう箱に色々詰めて船で世界を旅してたらしいんです。私が“めっちゃかっこいい!”って言ったら、“あなた好きね?持っていきなさい”と言ってくれて」
なんと表参道のブティックが100万円で買いたいと言ったほどの逸品。
現在も店に1つ残っており、メルカリにも出品中だとか。
学生が二度見して入ってくる、不思議な吸引力

左:西村プリティー太志さん 右:古着担当の鈴木628(ムツヤ)さん
「ヒノモトジャパン」には年配の方以外にも、大学生を中心とした若い人たちがよく集まります。1人暮らしを始めたばかりだという若者が、昭和の食器を気に入って、嬉しそうに持って帰ることも。
「ここを通るとね、みんな二度見するんですよ。“えっ……何屋さん?”って顔して、頭を下げて、また見て。気になって入ってきて、気づいたら友達みたいになってる」
店主さんの飾らない人柄に惹かれて、学生が自然と集まるようになり、今では名城大やその他の大学の子たちが手伝いに来るほど。
「服も多すぎて、私だけじゃ捌けないくらいなんです。若い子は発信も上手だから任せてます。激安で出してるから、みんな“え!?本当にこの値段?”って驚きますよ」
その言葉どおり、レアな古着も格安で販売しており、古着好きの方は掘り出しものがきっと見つかるのでおすすめです!
夜には学生や近所のおばあちゃんが立ち寄り、世代を超えた小さな交流スポットのような空間が広がっています。
「人とのつながりを大事にしたい」──島で学んだ価値観
西村さんは五島列島での生活経験があり、そのときに感じた“人の温かさ”が今の店づくりの根底にあります。
「島では、お金より“誰が困ってるか”が大事だった。都会でもそんな場所を作りたいと思ったんです」
だからこの店には、0円のものも、100年前の宝物も、若者もお年寄りも、全部が自然と混ざり合っています。
そこには“売る・買う”を超えた、人と人とのつながりがありました。
西村さんの一言が、この店を物語る
「物の値段より、人が困ってたら助けたらええやん。そんな場所でありたいんです」
人々の歴史が刻まれているヴィンテージ品の間を歩いていると、この言葉がそのまま店の空気になっているように感じられます。
白壁の静かなまちに佇む、ちょっと変わった電気屋さん、もとい地域の人々の拠点「ヒノモトジャパン」。
今日もまた、新しい出会いが生まれているかもしれません。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
「ヒノモトジャパンfeat.ニシムラデンキ」はこちら↓





