【名古屋市東区】徳川家の“絶対的プリンセス”千代姫の嫁入り道具「初音の調度」が映えすぎる!「徳川美術館」で10年ぶりとなる一挙公開特別展が開催中です!

徳川美術館徳川美術館で特別展「国宝 初音の調度」が始まりました!

徳川家光の長女・千代姫が尾張徳川家に嫁ぐ際に贈られた婚礼調度一式「初音の調度」は、きらびやかな漆工芸や繊細な絵模様が施された、まさに“絶対的プリセンスための究極の嫁入り道具”。現在、東区徳川町の徳川美術館で開催中の特別展「国宝 初音の調度」では、国宝に指定されたその一式、70件をじっくりと見ることができます。

今回は「国宝 初音の調度」の見どころを一部ご紹介します!

徳川美術館開館90周年記念 特別展「国宝 初音の調度」概要

徳川美術館徳川美術館開館90周年を記念する特別展「国宝 初音の調度」では、10年ぶりに徳川家光の長女・千代姫の婚礼調度一式を一堂に展示。また、企画展「千代姫の華麗なる生涯」も同時開催中です。

期間:2025年4月12日(土)~6月8日(日)

時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)

休館日:月(祝日・振替休日の場合は翌平日)

場所:徳川美術館

入館料:一般1,600円、高大生800円、小中生500円
※ 65歳以上の方は200円割引(要証明書提示)
※ 毎週土曜日は小・中・高生入館無料
※ 特別展・企画展どちらも観覧可能

「初音の調度」って何?千代姫はどんな人物だった?

徳川美術館学芸員の方からお聞きした千代姫エピソードが、歴史に詳しくなくてもわかりやすく面白かったので、一部ご紹介します。

■千代姫は生粋のお姫様

寛永14年(1637年)徳川三代将軍・家光の第一子として江戸城に誕生。生まれる前から大名家との婚姻(つまり政略結婚)が決まっており、わずか2歳6か月(!)で尾張徳川家二代藩主・光友に輿入れしました。夫婦仲は良かったそうです。当時としては珍しく、63歳まで長生きした千代姫は、家臣だけでなく夫の光友や自分の息子たちにも、生涯「姫君」と呼ばれていたそうです。まさに絶対的プリンセス。周囲から「尊大」と評されることもあったそうですが、そんなところも“絶対的プリンセス”感があって推せます。

■「初音の調度」の“初音”は源氏物語から

幼くして親元を離れることになった千代姫のために、父・家光は「源氏物語」の中でも、ハッピー展開(親子の絆と吉兆の春を描いている)の「初音」巻を、モチーフにしたデザインの道具や家具、日用品を嫁入り道具として誂えました。物語の中の、春の訪れを告げる“ウグイスの初音”をきっかけに光源氏とその娘・明石の姫君が和歌を詠み交わす場面に、家光は自身と千代姫の姿を重ねたのかもしれませんね。

ここがスゴイぞ!「初音の調度」

徳川美術館

敢えてケースをずらして全体像が見えるようにしたこだわりの展示。

■最高級&最高峰&強運の国宝

千代姫の「初音の調度」がすごい点は5つあります。

  1. 制作者・制作年代などの情報が明らか
  2. デザイン・構図の巧みさ
  3. 最高峰の技術の結晶
  4. 最高級の素材の利用
  5. 状態のよいまま、一括で残る

何がすごいって当時の職人達の技術力。機械が存在しない江戸時代に、千代姫の婚礼に合わせるべく2年半という超ハイスピードで作成・納品しなければならない「職人総出の一大国家プロジェクト」だったそうです。小さいものでは化粧道具から文房具の筆の柄、大きいものでは書棚などの家具までありとあらゆる日用品に、舶来品の赤サンゴや金・銀などの高価な材料を用いて、しかも半立体で「初音」デザインを施すという職人技。よく「アニメキャラクターを3D化するとキャラ造形が破綻してファンが泣く」という現象が起こりますが、「初音の調度」にはそれがないのだそうです。スゴイ!徳川美術館さらに改めて超スゴイ!のが、これら70件すべて400年近くも前に作られているんです。めちゃめちゃ保存状態がいいので“強運の超ド級国宝”と、学芸員の方が仰っていました。数々の戦禍や天災を乗り越えて、大切に大切に引き継がれてきたんですね!

カワイイ“初音デザイン”見つけた!

ウグイスはどこにいるでしょうか?

“初音デザイン”の調度品の数々には「源氏物語」の「初音」巻に由来する草花や動物のモチーフを精巧にあしらわれています。特に初音の由来である鳥のウグイスが、あちらこちらに登場します。“初音の調度制作プロジェクト”には、ディレクター的な存在の職人さんがいて、各職人さん達に指示を出していたそうです。そのため作る職人さんよってウグイスの造型も1羽ずつ異なり、ふっくらしたウグイスもいればシュっとスリムなウグイスも。“ウグイス探し”オススメです。徳川美術館展示を観に来た時に、写真のウグイスはどの調度品に描かれているのか当ててみてください!(難易度高し)徳川美術館羽毛までくっきり描かれています。徳川美術館そして「カワイイ!」と人気なのは、こちらの「初音蒔絵大角赤手箱(はつねえまきおおすみかてばこ)」。姫の化粧道具や身の回りの小物類を収納するための箱として使われていたようです。人気の理由は……。徳川美術館赤色も相まって、ハートのように見えるデザイン!赤は婚礼や吉事を象徴する、縁起がいい色として“調度品カラー”として採用されています。

また、他の調度品もそうですがウグイス以外にも隠れているものがあります。それは和歌。これもよーく見ると、文字がちりばめられているのです。絵で詠む和歌、なんとも雅♪徳川美術館「初音巻絵祝之枕(はつねまきえいわいのまくら)」は、新郎新婦用の枕です。現代の感覚だととんでもなく寝心地が悪そうに感じてしまいますが、夢を食べる霊獣の獏(バク)が描かれているので悪夢を食べてくれていたのかもしれません。徳川美術館リアル獏との共通点は鼻が少し長いところでしょうか。麒麟にも似ています。徳川美術館「貝合わせ」という当時のゲームで用いられていた貝を収納するための「初音蒔絵貝桶(はつねえまきかいおけ)」。婚礼を象徴する重要な器物です。近くで見ると結構大きいので、どれくらいの量の貝が入っていたのか気になりますね。

作品修理と科学分析

徳川美術館これら「初音の調度」が約400年も前から残っているのは、もともと保存状態の良さに加えて、現状維持修理復元修理を継続的に行なってきたから。しかし、歴史的文化財を修理できる技術者が減ってきていることや、当時の素材を入手することが困難などの理由が課題になっているそうです。

修理技術の継承問題はありますが、科学の力で判明した事柄も。各調度品のX線CT調査を行なったところ、約400年前の家具の引き出しなどが、ゆがんで引き出せなくなったりすることがないのは意外にもシンプルな構造で作られているからだとわかったそうです。技術力はもちろん、それだけ頑丈で質の良い木材を選定していたのかもしれません。今後修理を継続していくためにも、科学技術を用いた調査は重要なんですね。

江戸版クッションも国宝!

徳川美術館70件の国宝の中には、長持などの内部の隙間に詰めるためのクッション「繻珍詰物(しゅちんつめもの)」も入っています。こちらも400年近く前から残っているとは思えないくらいの、生地の状態の良さ。

企画展「千代姫の華麗なる生涯」

徳川美術館同時開催中の企画展「千代姫の華麗なる生涯」では千代姫が愛用していたという純金や銀で作られた香盆飾りなどが見ることができるほか、どんな生涯を過ごしてきたのかを紹介しています。こちらも併せて観るとより理解が深まり面白くなります。

ミュージアムカフェでひと息♪

徳川美術館館内にある「ザ ミュージアムカフェ」で「竹千代」(税込850円)と「抹茶ラテ」(税込650円)を。「竹千代」は水ゼリーとわらび餅、白玉、こし餡、イチゴが入ったあんみつ風スイーツ。竹の入れ物に入っていて、窓から見える庭の風景に合います。黒蜜をかけておいしく頂きました。徳川美術館同行の方は「ふわふわぬき」(税込650円)を注文。ふわふわの生地にあんこバターが挟まれているスイーツです。

ミュージアムショップもチェック!

徳川美術館最後のお楽しみ「ミュージアムショップ」を覗いてみると、先ほど展示室で見た「初音蒔絵小角赤手箱」を発見!こちらは海老せんべいでおなじみ「坂角総本舗」の「姫ゆかり」と「初音の調度」のコラボレーションBOX(税込1,620円)で、「初音蒔絵小角赤手箱」を現代風にデザインしたものです。言わずもがなカワイイ!徳川美術館ちょっとしたお土産には「徳川美術館」限定“天下人用ラーメン”(各300円)はいかがでしょうか?これさえ食べれば天下とまではいかずとも、何かしらを統一できそうな気がしますね。他にも「徳川美術館」オリジナルグッズがあったので立ち寄ってみてはいかがでしょうか?徳川美術館千代姫の“強運の超ド級国宝”「初音の調度」は、現代アート好きも思わずうなりそうなデザイン性と職人達の技術力、貴重な国の文化財を未来へ残していくための科学分析や修繕作業の過程を知ることができ、非常に見ごたえのある特別展でした!ぜひこの機会に「徳川美術館」に足を運んでみてくださいね。

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